ソール
ひと口に底と言っても、表底、中底、ヒールなどを含んだ、靴の底部を構成するすべてをいうが、ここでは表底(アウトソール)について紹介してみよう。
底材の種類
- 革底
一般に高級靴には革底が使われている。底革の原料皮は、強靭で太く緻密な組織をもつ、成牛皮のベンズ部分が使われている。なめし方はタンニンなめしといって薬品効果で底材に合うようにかたく丈夫に仕上げられている。また、底革には、ハード・タイプ(硬底)とフレキシブルタイプ(エラスティシティタイプ)の2種類がある。
- クレープ・ソール
大別して天然クレープと加硫クレープがある。天然クレープは、形くずれや油に弱いなどの欠点があるが、かえりの良さと弾力に富んでいる。
- 合成底
通気性のない点が革底に劣るが、耐摩耗性や耐水性は優れている。
- その他の底材
コルク、ウレタン、ラバーなどやその他技術の進歩とともに新底材がぞくぞく開発されてすべりにくいソール・軽量ソールなど、ニーズやファッションの変化に対応している底材がある。
靴を一日中履くとコップ3杯分の水分が足元から発汗されると言われており、その大部分は中底が吸収する。底が革の場合は、そこから外へ発散されるが、ラバーや合皮などの通気性のないものでは水分の逃げる場所がない。つまり毎日履く靴は革底がベターである。
表底の種類
- プレーン・レザー・ソール
本来、ヒール(かかと)とそれ以外のソール(前底)は全部表革なのだが、日本人は歩く時、からだが左右に揺れるため、ヒールの外側に硬質ゴムを張りつけてクッション性を与え、擦りへった場合、取り替えられるようになっている。
- クレープ・ラバーソール
絹織物のちぢみのように表面が縮れている全面パターンのゴム底。
- スペリー・ソール
濡れたヨットのトップ・サイド(甲板)でも滑らない、刃物で波形の切り込みを入れたソール。
- その他のソール
登山靴のビブラム・ソール、ハンティング・ブーツのチェーン・トレンド・ソールなどがある。
天然皮革は吸湿性に優れているが、反面、水に弱く傷みやすいという欠点もある。雨の日に履いた場合は、晴れの日の1ヶ月分ほど消耗するという。とくに革底の靴は雨の日は禁物である。